魅力審査の是非 ミスコンから消える水着

 米全国紙USAトゥデイが報じたところによると、「ミス・ティーンUSA」ミスコンテストから、水着審査が撤廃されたという。このミスコンの運営を手掛けるミス・ユニバース機構(以下MUO)が決定したらしい。
 そもそも、ミスコンにおける水着審査は、「女性の身体や魅力を外見だけで判断している」、「若い女性を水着姿にさせて審査するのはいかがなものか」など、さまざまな批判が寄せられていた。特に、アメリカのフェミニストたちは黙っていなかっただろう。

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 “楽屋裏”の事情を鑑みれば、水着姿が一番簡単に、女性の身体付きを審査できるのであろう。スリーサイズや写真については、(本人の意図があるにしてもないにしても)大嘘をつく人が多いからである。これまで、MUOは「女性のアクティブな一面が見たい」と、言い訳にもならないような説明で水着審査を正当化してきたが、ここに来て一転、MUOの運営者が変わり、ミスコン自体を新しくすることになって審査内容も変わったのだという。MUOは、現在米大統領への道をひた走るドナルド・トランプ氏が所有していたそうだが、特に移民に関するこれまでの「超失礼な発言」のせいで、昨年の秋に所有者が変わったそうだ。
 将来のミス・ティーンUSAは、水着の代わりに、スポーツまたはアスレチックウェアを着て審査に挑むことになるらしい。この決定について、MUOの広報は、「力強い、リーダー的な女性像が支持されている。これらのウェアで女性の健康美を審査することができる」と、時代が求める女性像の変化が理由としているが、正直なところ「??」である。本当にそうなのか。

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 「ロリコン」に対して非常にうるさいアメリカでは、ティーンエイジャーにセクシーな印象を持たせる水着、つまり「子ども」に「女」を匂わせるものと結びつけることに対する生理的嫌悪感が強いという理由の方が、しっくりくる。また、世界的ファッション誌ヴォーグが、痩せ過ぎのモデルを使わないことを宣言したように、「痩せていなければキレイじゃない」、「モデルやセレブのような体型にならなくては」などの間違った認識をうら若き女性たちに植え付けないようにするメッセージ発信の方が重要な気がする。
 残念ながら、外見で判断される美しさや魅力が存在するのは、紛れも無い事実である。それでも、やっぱり健康を損なったり、その本人だけが持つ魅力を失ったら本末転倒であると思うのだ。「少女よ、大志を抱け」である。(ヤマダエビス)