市が過去最高の和解金に合意 収監中の囚人死亡で

 28日付のエーエム・ニューヨークによると、ニューヨーク市は27日、市のライカーズ島刑務所で収監中に死亡した囚人の母親に、和解金575万ドル(約5億8500万円)を支払うことで合意した。収監中に死亡した囚人に対する賠償額としては、市で過去最高額となる。
 ブラッドレー・バラード=当時(39)=は、精神障害や糖尿病を患っていたが、6日間にわたり水やインシュリンの供給を満足に受けておらず、2013年9月11日に全裸で糞尿まみれの状態で死亡しているのが発見された。自分の身体を傷つけたことが原因で、敗血症を起こしていたという。事態を調査したニューヨーク州の更生委員会は、「刑務所の行いには良心を疑う」とし、これを殺人と断定した。
 バラードの母親は、「市の刑務所は組織的に囚人を虐待しており、息子の死はその最たる例」として14年9月、市や看守などを相手取り損害賠償を求める裁判を起こしていた。
 近年囚人を虐待するケースが多発して問題となっており、10人以上の看守が刑事告発を受けている。市更生局のジョセフ・ポンテ局長は、「このような悲劇を繰り返さないため、囚人に対する不適切な扱いを撲滅する」と述べている。
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