児童福祉局に批判高まる ケースワーカー不足が露呈

 29日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、マンハッタン区ハーレムで26日、6歳のザイマー・パーキンス君が母親とその交際相手の虐待によって死亡し、ニューヨーク市内で同様の事件が頻発していることから、市児童福祉局(ACS)への批判が高まっている。
 特に問題になっているのが、1人のケースワーカーが抱える件数であるという。2012年度の平均8.7件から年々増え、今年度は平均10.6件。子どもへの虐待や育児放棄の報告件数はこの間、軒並み年間約5万5千件で推移する一方、1人当たりの担当件数は上昇し続けている。ビル・デ・ブラシオ市長が14年4月に362人を追加雇用し、1人当たりのケース数を減らすと宣言したにもかかわらず、人員の不足は深刻だ。
 ACSの広報担当は、「今年1月から新たに300人を雇用し、年末までにさらに175人追加する」としているが、離職者数には言及していない。
 ケースワーカー労働組合の代表者は、「皆、責任の重い仕事だと認識しており、情熱を注いでいる」としながらも、資質やトレーニングなどに限界がある中、複雑な問題の解決を強いられ相当なストレスを抱えているのが現状だとも述べた。

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