ヘイトクライムの報奨金増額 NY州とNY市が協力

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事とニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は10日、ヘイトクライムの摘発につながる情報に対する報奨金について、これまで州が提供していた5千ドル(約57万円)を、州と市の双方が拠出し2万ドル(約228万円)に増額することを共同で発表した。
 全米ではヘイトクライムの件数が昨年末ごろから急増し、市内でも今年1〜2月の間、昨年同時期の約2倍に当たる100件以上の報告があった。また州全体でも2016年11~12月の2カ月間で、市を除く州内の報告件数が15年同時期の2倍に増えていた。
 発表に際しクオモ知事は、「全ての州民はヘイトクライムや差別を見掛けたら通報して欲しい。安全のため最大限の努力をしていく」と述べ、デ・ブラシオ市長も「市内ではユダヤ系団体などに対する脅迫が増加している。知事と協力し、迅速な法の裁きで対応する」と述べた。
 市内では9日にブルックリン区のユダヤ子ども博物館に爆破予告があり、マンハッタン区でも先週、ユダヤ人団体の名誉毀損防止同盟に同様の脅迫があった。ヘイトクライムの通報は州の無料ホットライン888-392-3644などで受付けている。

爆破予告を受け警戒態勢が敷かれたブルックリン区のユダヤ子ども博物館=9日(photo: Edwin J. Torres/ Mayoral Photo Office)

爆破予告を受け警戒態勢が敷かれたブルックリン区のユダヤ子ども博物館=9日(photo: Edwin J. Torres/ Mayoral Photo Office)