民泊サイト取り締まり条例「違憲」 暫定差し止め、エアビー「大きな勝利」

 【3日付ウォール・ストリート・ジャーナル】民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーなど、短期賃貸業者を規制するためにニューヨーク市議会で昨年可決された条例について、マンハッタン区の連邦地裁は3日、条例は市による違法捜査に当たり違憲だとして、施行の暫定差し止めを命じた。
 この条例はエアビーアンドビーなどの民泊仲介サイトに対し、市内の民泊提供者(ホスト)の個人情報や民泊施設の住所の他、賃貸内容など全ての取引についての詳細を記した月間報告書を、市当局に提出するよう義務付けるものだった。今年2月に施行予定で、3月までに1回目の報告書の提出が予定されていた。同社など2社は、条例がホストを違法に監視するものだとして、市を相手取りそれぞれ提訴していた。
 同裁判所のポール・エンゲルメイヤー判事は、同条例は民泊サイトのデータの大部分の提供を義務付け、過度に広範囲にわたると指摘。情報提供に当たっても、サイトやホストが異議を申し立てるシステムが確立していないとして、施行を暫定的に差し止めた。市には従来通り、召喚状発行などの取り締まりを続けるよう助言した。
 エアビーアンドビーの広報担当は決定について「民泊サイトとユーザーにとって大きな勝利」と歓迎した。
 ニューヨーク市では3つ以上の部屋がある集合住宅での30日未満の賃貸は禁止。しかし違法に貸し出す業者が後を絶たない。ビル・デブラシオ市長は決定を受け「地域の安全を深刻に脅かす違法民泊を取り締まるための条例だった」と、継続して施行を目指す意向を示した。

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