地区検事長選、新星の横顔 ティファニー・キャバーン氏

 クイーンズ地区検事長(DA)の民主党予備選でリードする公選弁護人のティファニー・キャバーン氏(31)は自身を「風変わりなラテン系」と表現する。政治経験のない新顔として躍進した同氏は、バーテンダーから史上最年少で連邦下院議員に選出されたアレキサンドリア・オカシオコルテス氏(29)と同様に、ニューヨーク州で3年ほど前から始まった「進歩派の波」に乗った形だ。ニューヨークタイムズが26日、報じた。
 7年前に公選弁護人となったキャバーン氏のDA選出馬の理由は「(刑事司法)制度に不満を覚えたから」。公約として、勾留者や受刑囚人の薬物依存や精神疾患を治療するための資金を増やすと宣言。また無賃乗車や麻薬所持、徘徊(はいかい)などでの検挙を止め、刑事司法制度の見直しを図る。
 生まれは同区リッチモンドヒル。父親はエレベーター整備員、母親は子どものデイケアで働いていた。公立の小、中学校に通い、地元の高校に進学。ペンシルベニア州立大学で学士号を取得し、ニューヨーク法学専門学校を卒業した。
 DA選に当たり作成したビデオでは、生い立ちが自身のキャリアに大きく影響したと述べている。自身を「労働者階級に生まれた風変わりなラテン系」と呼び「刑事司法制度に押さえつけられているのは、私たちのような人間に他ならない。公選弁護人になったのは、地元コミュニティーを守るためだ」と話している。オカシオコルテス氏の他、来年の大統領選に立候補しているバーニー・サンダース氏ら民主党進歩派から支持を受けていた。対立候補、クイーンズ区長のメリンダ・カッツ氏(53)に僅差でリードするが、当選者が確定するのは来月3日。

ビデオで訴えるキャバーン氏
(photo: Cabán for Queens / Youtube)