NYにハヤブサ営巣 摩天楼に理想の環境整う理由

 時速200マイル(約322キロ)を超える速さで飛翔し「世界最速の鳥」として知られる「ペレグリンファルコン(ハヤブサ)」がニューヨーク市内に営巣している。専門家によると摩天楼は「理想」の住みかだそうだ。amニューヨークが9月27日、報じた。
 市環境保護局は今年の春、市内でハヤブサのつがい25組を確認。市公園局の都市公園保護官、ジョン・マッコイさんによると、ハヤブサは海抜1000フィート(約305メートル)程度の崖に巣を作る習性があり、市内の摩天楼や吊り橋は巣作りに理想的な環境だという。
 同紙によると、ハヤブサの巣があるのはマンハッタン区金融街のウォーターストリート55番地のビル、クイーンズ区とブロンクス区をつなぐスロッグスネック橋、スタテン島とブロンクス区を結ぶベラザノ橋など。ただし、高性能な双眼鏡でも使わない限り、地上から見ることはまず不可能のようだ。
 上空から急降下して獲物を捉えるハヤブサの特性にも市は適しており、ハトやアヒルの他、ガチョウのように自身より体長の大きい鳥を狙うこともある。ただし、獲物を路上で食べている際に車にひかれたり、獲物の体内に殺鼠剤が残っていたりすることもあり「大都会特有の危険もある」とマッコイさんは指摘している。
 ハヤブサは殺虫剤の影響で1900年代半ばに個体数が激減。70年には米国の絶滅危惧種リスト入りしている。