暖房用ボイラーの半数以上が老朽化 問題だらけの公共住宅 

 ニューヨーク市住宅局(NYCHA)が運営する公共住宅の暖房ボイラーは半数以上が老朽化しており、冬を控えて市は対応に追われている。ニューヨークタイムズが17日、報じた。
 NYCHA の17万6000棟の公共住宅には約40万人の低所得者が暮らしている。これまで暖房や温水の供給が長時間止まるなどの問題が頻繁に起きているが、公共住宅に設置された1713機のボイラーの半数以上が平均的な耐用年数の20年を経過しており、中には1950年代に製造されたものや、すでに存在しない製造業者の製品もあるという。長年の資金不足とメンテナンス不足から、ボイラーの約半数に重大な欠陥が見つかっており、大掛かりな修理または取り換えが必要な状態だ。
 同公共住宅では、昨年10月1日から今年5月1日までの市が定める暖房供給期間に、暖房または温水が25回停止。NYCHAは昨年冬、暖房の供給停止に迅速に対応するために中央管理センターを設置、24時間体制で技術者の配置を開始した。
 NYCHAでは暖房・温水問題の他に鉛含有塗料検査のデータ改ざんなど不祥事が続出。
 現在は米住宅都市開発省(HUD)の監督下に置かれている。