スタテン島代表するビールが復活  出身コメディアンが奮闘「歴史知って」

 スタテン島で先月21日、半世紀以上前に途絶えた地ビールブランド「ラブサム&ホーマン(R&H)」が復活した。同島出身のコメディアン、ブライアン・クインさんが「島の歴史を知ってほしい」と思い立ち、準備を進めていたという。各メディアが報じた。
 クインさんがR&Hの存在を知ったのは2年前、同島の歴史について調べていたとき。ニューヨークタイムズによるとR&Hはドイツからの移民ジョセフ・ラブサムとオーガスト・ホーマンが手を組み、1870年に同島ステープルトンで蒸留を始めた地ビールだ。当初は小規模だったが、1911年までに年間20万ケースを製造する大手蒸留所に成長。島を代表するビールとして60年代まで飲まれ続けたという。
 ビールが大好きなクインさんは「島の歴史でこれほど重要なものが忘れられていたのか」と衝撃を受け、R&Hを復活させることを決意。蒸留方法は残されていないため島のお年寄りに味を聞いて回った。何度も試作を重ね、オリジナルの味に近いピルスナー、IPA、アンバーエールの3種類を開発した。
 独自の蒸留施設を持つには至っていないが、同島の他マンハッタン区のバーなどで提供している。