オスカー像造るハドソンバレーの工場 破損の「チャージングブル」も修理

 米アカデミー賞の受賞者に贈られるオスカー像は、マンハッタン区から車で約1時間30分北上したところにある、ハドソンバレーの小さな町、ロックタバーンにあるアート作品専門の鋳物工場UAPポリックタリックス社が2016年から製造している。ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、同社についてレポートした。
  「細心の注意を払うのは顔の表情。完璧でなければならない」と話すのは、イワン・グッドマンさん。オスカー像担当班の一員だ。ブロンズに純金メッキを施し、重さ8.5ポンド(約4キロ)のオスカー像を毎年60体完成させている。
 創業は1968年。96年に同地に移った。10万5000平方フィート(約9800平方メートル)の工場に約80人が働いている。9月に破損された金融街の「チャージングブル」を修理したのも、現存するアーティストの作品としては史上最高値という9100万ドル超で年初に落札されたジェフ・クーンズの銀製の彫刻「うさぎ」を制作したのも同社だ。9日には、コンセプチュアルアーティストのハンク・ウイリス・トーマスさんの高さ22フィートのブロンズ製の彫刻「ユニティ」をブルックリン橋のブルックリン区側入り口に設置した。
従業員はこの道10年以上のベテランぞろい。会社としてノウハウを蓄積し、新しい素材に挑戦するアーティストのビジョンを的確に具現化する。「作業を見ていると、感嘆すると同時に謙虚な気持ちにさせられる」とトーマスさんは絶賛している。

UAP Polich Tallixの公式インスタグラム(polichtallix)より