不況にあえぐカナダ国境の町 カナダドル下落に米移民政策が拍車

 カナダからの買い物客が激減し、ニューヨーク州北部の国境沿いの町が打撃を受けている。トランプ政権が進める移民政策はここにも影響を及ぼしている。ニューヨークタイムズが19日、報じた。
セントローレンス川にほど近い町、マセナとマローンの商工会議所の調べによると、カナダからの買い物客による売り上げが地元経済に占めた割合は、マセナで3分の1以上、マローンでは半分以上だった。2つの町はかつてゼネラルモーターズ(GM)など大手企業の「城下町」としてにぎわった。2009年、GMが工場を閉鎖した後、町は衰退したが、川向こうにある人口5万人のコーンウォール市からの買い物客で糊口をしのいできた。
 減少の発端は2013年秋から始まったカナダドルの下落。米税関国境警備局のデータによると、14年、国境検問所を通過する乗用車の数は約4分の1に減少。それにトランプ政権の移民政策が追い打ちをかけた。「米国への持ち込みが禁じられている生鮮食料品を所持していた」「渡航目的を誤って記入した」などの理由で、何時間も国境で足止め食うカナダ人も少なくないという。カナダ人買い物客を当て込んで建てられた近隣のショッピングモールでは、店じまいが相次いでいる。
マセナにあるレストラン「トロンビーノズ」はかつてカナダからの客で大繁盛。店主のティーブン・ナデューさんは「昔の面影はない」と嘆く。ナデューさんは「これまで何度も危機を乗り越えてきた。今回ばかりは先行きが暗い」と肩を落としている。