差別的な接客、覆面調査で発覚 ロングアイランドの不動産業者

 ロングアイランドの不動産業者が、人種差別的な接客を行っていたことが、明らかになった。地元紙ニューズデーが3年間かけて行った覆面調査の結果として、同紙が17日、発表した。
 ニューズデーは調査のために多様な人種の調査員25人を雇用。初めて不動産物件を購入する客を装い、隠しカメラを装着して不動産会社を訪れ、93人のエージェントと接触した。その結果、アフリカ系の調査員は49%、ヒスパニック系の調査員は39%、アジア系の調査員は19%の確率で、白人の調査員とは異なる扱いを受けていた。
 住宅ローンの審査に合格していないアフリカ系の調査員に物件を紹介しないにもかかわらず、同じ条件の白人調査員には物件を紹介した不動産エージェントが複数確認された。圧倒的に白人が多く住む地域を希望したアフリカ系の男性調査員に、同地域の物件は「高額過ぎてあなたの予算に合わない」と言っておきながら、同じ予算の白人の男性調査員には物件を紹介したエージェントもいた。また、あるエージェントは、中米エルサルバドルを拠点とする凶悪犯罪組織マラ・サルバトルチャ(MS13)の殺人事件が起きたブレントウッドの物件をアフリカ系調査員に強く勧める一方で、白人調査員には、地域の治安面について警告。購入前に十分に調査するよう求めるメールを送っていた。
 1968年に制定された米公民権法の一部である連邦公正住宅法は、人種や宗教などに基づいた住宅差別を禁じている。
 ニューズデーが2009年に実施した調査結果によると、ロングアイランドは全米で最も人種的に分離された地域の1つ。