ICEによる不法移民の逮捕減少 NY市では昨年比62%



 トランプ大統領は今年7月、「数百万人の不法移民を国外退去にする」と宣言。米移民・税関捜査局(ICE)による不法移民の一斉摘発が懸念された。しかし実際は、全米で強制送還となったのが2100人、逮捕されたのが35人だったことが分かった。ゴッサミストが12日、報じた。
 
 ゴッサミストと公共ラジオ局(WNYC)が共同で実施した調査によると、ニューヨーク市とロングアイランドなどで7月、不法移民120人を逮捕。これは、昨年の同月より200人少ない62%の減少に当たる。また、逮捕された62%が刑事事件で有罪判決を受けている、または保護観察中、合法的滞在資格の不所持に該当する者であることも判明した。ニュージャージー州ニューアーク市とその近郊でも、逮捕者が昨年の273人から222人と18%減少した。
  
 ICEの報道官は不法移民検挙率が減少した理由を、「メキシコ国境での対応に捜査員を多く配備したため、(ニューヨーク市などでの)取り締まりまで手が回らなかった」と説明。非営利の移民擁護団体、ニューヨーク移民連合の事務局長スティーブ・チョイさんは、「移民保護のために闘うわれわれの勝利」と話した。