渡り鳥保護かゴルフコース拡張か リバティー州立公園の土地使用で対立

 ニュージャージー州の会員制ゴルフ場「リバティーナショナル」が、隣接するリバティー州立公園の海沿いの土地キャベンポイントを借り受け、18ホールのコース3つを移設する拡張計画を発表。この土地には渡り鳥が飛来することから、野鳥や環境保護の団体などが反対している。ニューヨークタイムズが9日、報じた。 
 ゴルフ場は拡張の理由をPGAツアーの誘致に必要と説明。同ツアーが開催されれば、「州に経済的利益をもたらす」と主張している。ただし、移設予定地は自然保護を目的に公的資金で購入された公有地。環境保護団体の責任者、グレッグ・レモードさんは「私的な目的で賃貸を許すと、州立公園ではなくなる」と指摘。リバティー州立公園はアメリカイソシギなどの飛来地として知られている。
 拡張計画を盛り込んだ条例案の採決は13日、州上院で行われる。フィル・マーフィー知事(民主)の報道官は「同公園は州の宝。知事は全州民の利益のために公有地を守る考え」と述べた。ゴルフ場は2006年開設。入会金が約50万ドル(約5500万円)と高級で、現在トランプ氏の個人弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長など政財界の大物が設立に関与した。