ブルックリンの不動産ブーム終焉 賃貸アパート市場の低迷で

 約10年間にわたり続いたブルックリン区の不動産ブームが、昨年6月に改正された家賃規制法の影響で終焉を迎えようとしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが21日、報じた。
 
 ブルックリン区を拠点とする不動産会社、テラCRGの調査によると、18年から19年の同区の不動産の販売高は、前年比30%減の51億ドル(約5600億円)で、リーマンショック以来最低を記録。オフィスビルや商業施設の販売高は横ばいだったが、居住用アパートの販売高は前年比56%減の11億ドル(約1200億円)だった。居住用アパートは、同区の不動産販売の大部分を占めているため、売り上げ低迷につながった。
 
 ニューヨーク市は昨年6月、法で家賃を規制した(レントコントロール)アパートの家賃高騰を阻止し、賃借人の保護を強化した改正案を可決。これにより、同区にあるレント・コントロール・アパートの不動産価値は、少なくとも法改正前の75%に下がった。レントコントロールのアパートを購入したが、家賃収入がおぼつかず、ローンの支払いが遅れている家主もいるという。
 不動産関係者によると、不動産価値下落のため、レントコントロールのアパートを売りに出さない家主が増加。昨年の同区における不動産の平均販売価格は前年とほぼ同じだった。

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