ブルックリン植物園に「甚大な悪影響」 市公園局の専門家が大型開発計画を批判

 ブルックリン植物園の東隣で進行する39階建ての大型ビル開発計画を巡り、ニューヨーク市のデブラシオ市長は、高層ビルが同園の植物の生育に悪影響があることを否定してきた。しかし、市公園局の環境分析責任者、デービッド・カフさんが報告書の中で「日陰になり、植物に甚大な悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘していたことが、ブルックリンペーパーの調査でこのほど判明。報告書は昨年12月20日、市計画局に送付されている。同紙が18日、報じた。
 不動産開発のコンティニューム社は、土地利用目的の面的条件付け(ゾーニング)の変更を市に申請した際、ビルが周辺環境に及ぼす影響を分析した報告書を提出。カフさんはこの分析を批判。中でも植物の栽培施設が日陰になること懸念している。カフさんの見解は、植物園で生きた植物の収集を統括するローワン・ブレイクさんが昨年3月の公聴会で、「栽培施設が機能しない場合、10年内に半分以上の収集が失われる」と発言した内容と一致する。
 デブラシオ市長は7日、WNYCの朝の番組の中で、開発計画で低所得者向けのアパートが800戸新設されると強調。「植物園が台無しになるとは思わない」と断言していた。