現在も続く虐待の実態明らかに NY州立の発達障害施設の出身者

 職員による虐待が日常的に行われ、1987年に閉鎖となったニューヨーク州立の発達障害者施設で育った障害者たちが、現在も別の施設で虐待を受けていることが明らかになった。ニューヨークタイムズが21日、報じた。
 ニューヨーク州は1947年から閉鎖されるまでの40年間にわたり、発達障害の子どもや成人をスタテン島のウィローブルック州立学校に収容。しかし同施設は収容人数をはるかに超える人数を収容。障害者を裸または粗末な衣類で放置したり、施錠した不潔な病室に監禁したりしていた。椅子やベッドに縛り付ける、性的暴行を繰り返すなどの虐待が発覚し、72年には障害者の保護者による集団訴訟に発展。75年、州は、全ての障害者が「危害からの保護に対する憲法上の権利」を有することを保証し、小規模なグループホームに移すことで合意した。しかし、同施設に収容されていた約2300人のうちの生存者の多くが依然として虐待を受けていることがニューヨークタイムズの調査により露見。同紙が入手した州の内部データによると、同施設出身者に対するホームの職員による身体的虐待が、昨年だけで97件、また精神的虐待が34件、放置、不当な拘束や隔離、投薬ミス、窃盗など、その他の虐待が数百件報告されていた。ブルックリン区で障害者の女性が死亡した事件も、ロングアイランドで障害者の女性が指を失った事件も、職員による放置が原因と見られている。熱湯のシャワーまたは風呂に入れられ、Ⅱ度のやけどで病院に搬送された男性もいた。