「暗黙の了解は間違い」 ワインスタイン有罪、告発者の感想  

 ニューヨーク州高位裁判所は24日、ハリウッドの元映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告(67)に第3級強姦罪と第1級性犯罪で有罪判決を下した。これを受け、ニューヨークタイムズは告発した当事者や法律専門家に判決の感想をインタビューし、24日報じた。
 2017年に告発した元女優のドーン・ダニングさんは裁判で証言。判決について「自分の行動には責任を持たなければならないということだ。権力と財力があるからといって、他人を利用してはならない。証言台に立ったことは、わが人生で最大のストレスだった」と話した。
 同年、ワインスタイン被告の違法な性的行為を最初に公に告発した女優のアシュレイ・ジャッドさんは、「男性が権力を笠に着て女性の体を触るという『暗黙の了解』は、間違いであると伝えたかった」と述べた。ジャッドさんの告発がきっかけとなり#MeToo(私も)運動は全世界に波及した。
 一方、ワインスタイン被告の元弁護士として事件に関わったコロラド州コロラド大学の法学部教授、アヤ・グラバーさんは、「#MeToo運動は支持する。しかし元弁護人として、この裁判が女性の権利や刑事訴訟の前例になることには疑問を感じる」と複雑な心境を語った。
 ワインスタイン被告の下で30年間働き、17年、タイムズの告発記事で同被告の性犯罪に関する情報を提供した会計士のアーウィン・ライターさんは、「被告の性犯罪を目撃した男の私が、勇気を持って証言台に立った」と話した。