「白人が優位と知って通報したはず」 犬の散歩巡り口論、黒人男性が心境語る

 マンハッタン区のセントラルパークで24日、飼い犬をひもにつながず散歩させていた白人女性、エイミー・クーパーさんを注意し、「黒人に脅されている」と市警察(NYPD)に通報された黒人男性、クリスチャン・クーパーさんが27日、ニューヨークタイムズに心境を語った。
 クリスチャンさんは同日、同公園の森林エリアで、犬にリードをつないでいなかったエイミーさんを注意し口論になった。エイミーさんは警察に「アフリカ系米国人に脅されている」と通報したが、クーパーさんがその様子をビデオに収めてSNSに投稿。エイミーさんへの非難が殺到し、勤務先に解雇された。
 その後、エイミーさんがクーパーさんに送った謝罪文によると、通報したときのことをエイミーさんは「感情的になって、クーパーさんから、ただ『注意』を受けていると冷静に思えなかった」と釈明。
 一方、クーパーさんは同紙に「間違いは誰にでもある。人種差別はあってはならないことだが、彼女の人生を台なしにする必要はないのでは」と心境を明かした。
 また、クーパーさんは「白人女性が黒人男性と対立した際、白人女性の言い分が優先されるのは社会の『暗黙』の傾向」と指摘。「白人のエイミーさんは、『自分が優位な立場にいる』と認識した上で人種を持ち出し通報したはず」と話した。
 クーパーさんは今回の事件について、何世紀にもわたり黒人が受けてきた「深く根強い差別」を解決するために役立つのなら「きっと意味があった」と語る。ニューヨーク市人権委員会は27日、この問題について調査を開始すると発表した。

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