連載360 山田順の「週刊:未来地図」告発!日本を焼け野原にした“コロナ戦犯”たち(中)

「アベノマスク」「コラボ動画」の発案者

 首相にアドバイスして、“愚かな”言動を裏で仕切ってきたのは、世間知らずの官僚と、取り巻き政治家たちと言われている。
 そのなかで、若手でいちばん影響力があるとされるのが、佐伯耕三秘書官(45)だ。彼こそが「アベノマスク」の発案者とされている。
 これを指摘したのは、またも「週刊文春」(4月16日号『アベノマスク を主導した官邸の金正恩の正体』)で、佐伯秘書官は、「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ」と首相に提案したというのだ。
 しかも、驚くべきことに、佐伯秘書官は例の「コラボ動画」までも発案していた。「週刊新潮」(4月23日号、『安倍総理炎上のSNS動画、仕掛け人は“布マスク2枚”の発案者』)によると、大手メディアの政治部デスクが次のようにコメントしている。
「今回のツイッターの仕掛け人は経産省出身の佐伯耕三総理秘書官。あの悪名高い『布マスク2枚』の発案者も彼です。40代半ばの佐伯さんは『チーム安倍』の中では若手で、総理は彼の意見を『若者代表』として捉えている節がある。佐伯さんから『星野源とコラボすれば若い人に受けますよ』とでも耳打ちされたんでしょう」
 1998年に経産省に入省した佐伯氏は、2013年に内閣副参事官として官邸の一員となると、安倍首相のスピーチライターとして活躍。2017年7月に史上最年少の42歳で首相秘書官(事務)に抜擢されている。
 この抜擢を行なったのが、経産省の先輩で“影の総理”として安倍首相がもっとも信頼している今井尚哉・首席秘書官兼首相補佐官(61)だ。この今井氏も、今回のコロナ禍の A級戦犯と言っていいだろう。

安倍首相を裏で操るという“影の総理”

 常日頃から、教養、知識がないと自覚している安倍首相は、これまでブレーンにいいアドバイザーを集め、その力を借りることで、“やっている感”をかもし出してきた。その筆頭が、今井氏である。
 今井氏は、これまでの数々の国内政策、北朝鮮政策、中国政策、対アメリカ外交まで、仕切ってきたと言われている。アベノミクスは、本田悦朗・内閣官房参与(当時、65)の入れ知恵だったされるが、「新・3本の矢」は、今井秘書官がつくったとされる。
 以前のメルマガでも書いたが、今井秘書官は超エリートである。伯父(父の兄)は高度成長期に通産事務次官を務めた今井善衛氏、そしてもう1人の叔父(父の弟)は元経団連会長の今井敬氏という名門一族の出身。1982年の経産省入省以来「将来の次官候補」としてエリートコースを歩いてきた。頭のよさでは、首相とは格が違う。
 そのため、安倍首相は「今井ちゃんは本当に頭がいいよね。なにを聞いてもすぐ答えが出るんだよ」と言って、政権発足時から、政務を担当する首席秘書官に起用してきた。
 つまり、官邸を事実上仕切っているのが今井氏であり、今井氏の別名は“影の総理” である。この“影の総理”は、安倍首相が「わが国の支援は世界でもっとも手厚い」と自慢した108兆円の緊急経済対策を、事実上取り仕切ったとされている。
(つづく)

【山田順】
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。
【読者のみなさまへ】本メルマガに対する問い合わせ、ご意見、ご要望は、私のメールアドレスまでお寄せください。 → junpay0801@gmail.com

最新のニュース一覧はこちら

タグ :  , ,