新型コロナが永久に消えない可能性  米科学者の間で高まる懸念

 米サイエンス誌は先週、新型コロナウイルスが永続的な公衆衛生問題になる可能性について説明した論文を発表した。ゴッサミストが20日、報じた。
 パンデミックが始まった当初、一部の疫学者らにより議論された最悪のシナリオの1つは、同ウイルスが、体内を循環し再発を繰り返す風土病となることだった。公衆衛生研究者のジェフリー・シャーマンさんとマータ・ガランティさんが作成した同論文では、再感染の可能性、ワクチンの有効性、ウイルスの季節性、かなりの数の人々がインフルエンザなどの別のウイルスと一緒に新型コロナウイルスに感染するかどうかといった、新型コロナウイルスの行く先を見極める際の重要な要素を特定した。再感染が一般的であることが証明され、世界のほとんどの人々に提供される非常に効果的なワクチンが開発されないのであれば、同ウイルスが風土病になる可能性が高いと結論付けている。 
 米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士を含む米国の衛生当局者らは、ワクチンが年末までに承認されるとの確信を表明していたが、第一段階のワクチンは、せいぜい中程度の効果がないと考える専門家もいる。また、最初の感染からの抗体は再感染を防ぐには不十分で、再感染が最初の感染と同様の深刻な疾患を引き起こす可能性もあるとされている。このような事態が起きる可能性について、シャーマンさんは「現時点では不明だが、否定できない」と述べている。

 

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