ニューヨーク育英学園

 保護者の仕事の関係などで一時的に米国に滞在している子ども達が、日本に帰国しても新しい環境にすんなり馴染めるように、また、日本国内と同じレベルの教育が受けられるように—。そんな願いを込めて設立されたニューヨーク育英学園では全日制のスクールだけでなく、子どものニーズに合わせて選べるさまざまなカリキュラムを提供している。

言葉や文化だけじゃない 日本人としての誇り教えるサタデースクール

 国際化が進む昨今、世界を股にかけて活躍する〝地球人〟が増えている。世界のありとあらゆるビジネスが集まるニューヨーク・メトロエリアにも、日本からの駐在家庭や現地の会社に勤務する日本人家族がたくさんいる。生活習慣が異なる外国で生活する中で、同じような境遇を逞しく生きる同志と共にさまざまな物事を共有するという場所は、子ども達にとっても非常に心強いものとなっているだろう。
 全日制以外にも多くの補習クラスを併設するニューヨーク育英学園は、現地校に通う在米邦人の子ども達に日本水準の教育だけでなく、母国の四季折々の素晴らしい文化や習慣に触れる環境を提供する教育機関として定評がある。
 1993年に土曜日補習校部門として開設し、今年で創立20周年を迎える育英サタデースクールでは、現在も700人以上の子ども達が異国に居ながらにして〝日本の学校〟で仲間と共に切磋琢磨している。

日本の教科書を使った数学の授業風景(高等部)

日本の学習環境を米国でも

 例えば、日本への帰国を前提とした駐在家庭の子ども達が多いサタデースクールでは文部科学省のカリキュラムに準拠し、日本の教科書を使って国語、算数、理科、社会といった主要教科の基礎をしっかり学ぶと同時に、日本式の体育の授業も実施。日直や係活動など日本的な学校習慣や文化に慣れるという点においても配慮され、書道部や野球部、サッカー部など放課後のクラブ活動も充実している。

書き初め大会のようす


 さらに、現地校にはない運動会やお月見会、餅つきなどの学校行事も豊富で、日本人が大切にする〝協調性〟や〝助け合いの心〟を学ぶ機会が多いという点も特筆すべき魅力だろう。
 同学園総合ディレクターで事務局長の上妻雅浩(こうづま・まさひろ)先生は、子どもの学習環境を選ぶ際に大切にしたい点について、以下のように述べている。
 ①子どもの将来について保護者が責任をもって決定に関わること②子どもにとって必要な学習環境とは何かを考え、保護者の責任で柔軟にその環境を調整すること③現地校との両立で学習意欲に波があるということをわきまえ、保護者が信念をもって自分の考えや家庭の方針などを子どもに伝えること—。
 日米両国の異なる文化や言語、社会習慣に囲まれて育つ子ども達を、温かく、そして真摯に伴走者として見守り続けることが大切だという。

ニーズに合わせて選べるさまざまなプログラム

 ニューヨーク育英学園では一般教科に焦点をあてたカリキュラムだけでなく、日本語学習に重点を置いた教室、幼児を対象としたプレイグループをはじめ、年齢やニーズ、日本語の習熟度別に分かれるウイークエンドスクール、サンデースクールやアフタースクールなど、4歳児から11年生を対象としたクラスが豊富に揃う。上妻先生は豊かなクラス・バリエーションについて、「お子さんのニーズや家庭の事情に応じて、クラス内容や曜日、時間帯を選んでもらえるように心掛けている」という。
 のびのびと学び、自ら鍛える子の育成—。ニューヨーク育英学園は明日を担う若者が大空へ羽ばたくその姿を、きょうも優しく見守っている。

仲間たちと楽しく学べる環境が整う(小学部生活科)

■問い合わせ
◎ニューヨーク育英学園
8 W Bayview Ave, Englewood Cliffs, NJ
201-947-4832/ 9089
www.JapaneseSchool.org
その他
●りんごラーニングセンター
●フレンズアカデミー
●マンハッタン校
●ポートワシントン校
※各スクールについての問い合わせは、
www.JapaneseSchool.orgを参照

     
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