NY大物政治家が詐欺罪などで逮捕 州政界に激震

 ニューヨーク州議会の議長を務め、同州の政界でもっとも影響力がある男の一人といわれる民主党所属のシェルドン・シルバー氏(70)が22日、詐欺罪や賄賂罪で逮捕され政界に激震が走った。
 米各メディアによると、シルバー議長は、州の法令や1420億ドル(約17兆円)にもなる多額の州予算を管理監督する3人のうちの一人。議長が操作した合計額は400万ドル(約47億円)にも上ると見られ、金の支配者に成り代わった議長は職権乱用であると糾弾されており、州議会の運営にも影響が出ている。
 陰謀罪、詐欺罪、強盗罪、あっせんや加重収賄罪などそれぞれの罪に該当する刑を合わせて加重処罰すると100年の懲役刑になる見通し。マンハッタン区で起訴された同氏は20万ドル(約2400万円)の保釈金を支払い現在は保釈されているが、「身の潔白は必ず証明されるだろう」と述べているという。
 担当米連邦検事によると、同氏は多大な影響力を利用して、不動産業者と結託して市のレントコントロールなどを操作し儲けさせ、その見返り料を受け取るなどする他、脱税にも加担していた。この不動産業者は、2005年より州政治最大の支援者であることから公職選挙法にも抵触する恐れがある。
 またマンハッタン区の同氏の医療関連会社に、医師から患者を紹介させて優遇するなどして着服し、私腹を肥やしていた疑いがもたれている。
 シルバー議長は1976年に市のローワーイーストサイドから初当選。94年には議長の座に上りつめて、「アルバニーのスフィンクス」の異名を取った人物。かなりの大物なだけに、今後の調査や公判の行方が注目される。