ペーパーレスチケット の販売禁止へ

 ニュージャージー州下院議会は18日、コンサートやスポーツ観戦などのチケット購入者が、実券はなく身分証明証を提示するだけで会場に入場できるペーパーレスチケットの販売禁止案を承認した。

 現在、ペーパーレスチケットの大半はチケット販売大手ライブネーションエンターテインメント傘下のチケットマスターにより販売されている。購入者がチケットを別の人に譲りたい場合、同社ウェブサイト上の限られた煩雑な手続きによってしか売れないなど多くの問題点があるが、同案が可決された場合は転売が容易にでき、消費者の権利が保護されることになる。

 消費者保護団体やビジネスグループなどは同案に賛成の意向を示しているが、スポーツやコンサートの主催者側からは、ブローカーにチケットを高額で販売するチャンスを与えることになる、と反対の声が上がっている。

 またこの法案では、催しの15日前までに主催者が一般チケット前売り開始日とチケット枚数を公表し、ファンセールや企業スポンサーなどの特別チケット販売枚数も明らかにしなければならない、という細則も含まれる。

 親子3世代にわたるNFLニューヨーク・ジャイアンツファンで、毎年シーズンパスを購入しているというカイル・ヘスナンさんは、チケットがすべてペーパーレスになった場合、観戦しないチケットの転売により還元されるチケット代が見込めなくなるので、シーズンパスが購入できなくなると語った。