Castle on the Hudson

 マンハッタンから車または列車で約1時間。タリータウンの小高い丘にたたずむ「キャッスル・オン・ザ・ハドソン(Castle on the Hudson)」は、100年の歴史を誇る古城を活かしたオーベルジュ。今回は、ニューヨーク市からも気軽に足を運べる極上空間を紹介しよう。


ロマン溢れる古城で過ごす 至福のひととき

 優雅に流れるハドソン川を望むニューヨーク州タリータウンの丘上に、築100年以上となる古城を改装したオーベルジュが存在していることをご存知だろうか? 世界遺産に指定された屋久島でスモールラグジュアリーリゾートを展開する株式会社サンカラリゾートホスピタリティ(代表:佐藤二郎氏)が運営する同ホテルは、宿泊施設や食事、サービスのどれを取っても一流で、一度訪れた人なら必ず「また来たい」と言わせるような至福のひとときを提供してくれる。
 緑豊かな丘の上に建つホテルは、1940年まではハワード・キャロル将軍の邸宅として利用されていた。当時のまま残された石造りの城壁や贅を尽くした内装は、幾年を経た今もなお、歴史とロマンを色濃く残している。木々に囲まれた広い敷地に足を踏み入れた途端、都会の喧噪を忘れさせる優雅な空間に包まれることだろう。


特別な日は、日本人シェフによる本格フレンチを

 風情溢れる「キャッスル・オン・ザ・ハドソン」最大の魅力と言えば、本格フレンチが楽しめるレストラン「エクイス(Equus)」。東京の有名フランス料理店を皮切りに、フランスの名だたるレストランで腕を磨き上げたエグゼクティブシェフ武井智春氏が織りなす四季折々の食材を使ったメニューは、どれも食通をも唸らせる珠玉の一品ばかり。「調味料に頼らず、素材本来の良さを引き出すことが料理の醍醐味だと考えています。『引き算の料理』を提案したいですね」と話す武井氏。
食材の持つ自然の味わいが料理の可能性を広げると確信するからこそ、自らファーマーズマーケットなどに足繁く通い、素材選びまで徹底する。また、技術や調理法はフランス流を貫ぬくが、日本人の感性を大切にすることで、自分にしか創り出せないオリジナリティーを表現することにもこだわっているのだとか。
 「まだまだ課題はたくさんありますが、今後は今以上に地元の食材や旬の食材、また和のテイストを積極的に取り入れた料理を提案したいですね」と武井氏。

柔らかな食感がたまらない、仔牛を使った逸品 「Slow Cooked Veal Spare Rib, Veal Loin and Cheek」

プレゼンテーションも彩り豊かな「Salmon Trout Confit」

フロマージュパンナコッタといちじくの酸味が 上品なビニー氏の最新作「Concord」

 平日のランチタイムには、2〜4コースから選べるプリフィックスメニュー(38ドル〜)が、ディナータイムは武井氏の渾身作が詰まったコース料理(85ドル〜)またはアラカルトメニューが堪能できる。ワインセレクションも非常に充実しており、2年連続でワインスペクテイター誌による〝傑出したワインリストを備えるレストラン〟に選ばれている。
 重厚なオークルームで歴史を感じながら美味に舌鼓を打つも良し、木立の向こうにハドソン川とマンハッタンの摩天楼を望むガーデンルームで優雅な時間を過ごすも良し。大切な記念日やお祝いなど特別な日こそ、「エクイス」で生涯忘れられない極上のひとときを体感していただきたい。

■問い合わせ

◎Castle on the Hudson
400 Benedict Ave, Tarrytown, NY
914-631-1980
www.castleonthehudson.com

Equus

予約:914-631-3646
ブレックファスト:8am〜10am
ランチ:12pm〜2pm
ディナー:6pm〜9:30pm
ブランチ(日曜のみ):11:30am〜2:30pm