世界・食の見本市、ことしも開幕 日本は「うまみ」の魅力伝える

「人形町 今半」のすき焼きの試食には、この日一番の長蛇の列。米国人らからは、たれのうまさに驚きの声があがっていた(photo:Koike)


 ことしで20回目を迎える米国最大級の食の見本市「インターナショナル・レストラン&フードサービスショー・オブ・ニューヨーク」が3日、マンハッタン区ジャコブ・K・ジャビッツセンターで開幕した。広い会場の中には日本ブースも設けられ、「だし」や「うまみ」が大きなテーマとして取り上げられている。
 食材や業務用の食器、キッチン什器などを取り扱う世界の飲食関連業者600社以上が出展。5日までの期間中、イベントや実演も数多く行われる。同見本市は出展各社が飲食店オーナーやシェフに向け、新商品やサービスを発信する場となっているが、初日は食にうるさいグルメなニューヨーカーも多数見受けられた。

 日本の食文化に焦点を当てた「ジャパン・パビリオン」にはラーメンや日本酒といったニューヨークで既に市民権を得ている品が数多く並び、来場者はその味と技に舌鼓を打った。
 また今回は、和食の基本となっているのは「だし」であり、これこそが「うまみ」の根幹であることをアピールしようと、昆布やまぐろ節のほか、万能調味料の酒麹など米国人を驚かせる食材が並び、各種セミナーも行われた。
 昨年に続き出展した株式会社新丸正は、まぐろ節のだしを来場客に振る舞った。同社常務執行役員の柴田一範氏は、「『うまい』ことはすぐにわかってもらえる。次はこれをどう料理や生活に取り入れてもらうか、レストランシェフらから粘り強く広めていきたい」と力強く語った。

 また「パリ・グルメ」のブースでは、有名レストラン「ダニエル」や「マンダリン・オリエンタル・ホテル」のパティシエらが参加するコンペティションも開催されており、チョコレートで作られたオブジェの甘い香りに来場客は足を止めていた。

 同イベントに関する詳細は、www.internationalrestaurantny.comまで。

「これは日本のどこで作られた酒?」などと質問が飛び交う光景も。来場客同士でも、日本酒談議に花が咲いていた=同