四季鰤

鰤(ぶり)の旬は一年中──
   そんな時代が、ついにやって来た。

 日本人は、さまざまな種類の魚をあらゆる調理法でおいしく食べる術を知っている国民だと、ニューヨークで暮らしているとつくづく感じる。
 魚には「旬」があり、天然と養殖があることはもちろん知られているが、繊細な味の違いも舌で感じ取ることのできる日本人を満足させる養殖の技術も日々進歩している。そればかりか「四季鰤」という一年を通して楽しめる食材が日本では今、話題となっている。「鰤(ぶり)の旬は一年中」という時代が、ついにやって来たのだ。
 陸上の水槽や海のいけすを上手く使い分け、天然の稚魚のモジャコから大切に育てている。水温、日照時間、エサの量や種類、病気にならないための検査など、魚がストレスなく健康に育つための環境が徹底して整えられている。それにより、旬に関係なく「桜ぶり」「初ぶり」「秋ぶり」「寒ぶり」と四季を通しておいしい食材の安定供給が実現した。

Blue Ribbon Sushi Izakayaのヘッドシェフが語る「四季鰤」

Blue Ribbon Sushi Izakayaの ヘッドシェフ 飯盛一貴氏

 おいしいものに目がない舌の肥えたアメリカ人でいつも賑わうダウンタウンにあるBlue Ribbon Sushi Izakaya(ブルーリボン・スシ・イザカヤ)のヘッドシェフである飯盛一貴氏は、「普通の養殖の鰤(ぶり)は色がもっと白くて、脂がのりすぎていて魚本来の味が味わえないこともある。でも『四季鰤』はほら、赤みを帯びていて、霜降りがとてもキレイに入っているでしょ?」と日本から真空パックで届いたばかりの「四季鰤」を目の前でさばいて見せてくれた。

 普通の養殖の鰤(ぶり)は約6パウンド(約2・7キロ)もあるが、「四季鰤」は約4・5パウンド(約2キロ)と若干小ぶりで身が締まっている。色も変わりにくく、魚が傷む原因のひとつである脂が適度であることもあり、常に良い状態のものを提供することに神経を使っている飯盛氏としてもとても扱いやすく、顧客からの評判も上々だと言う。

1 or 8の寿司シェフにも聞いてみた

1or 8の寿司シェフ 吉田一男氏

 また、作り手の情熱を感じる一皿が味わえると評判のブルックリンのレストラン1or8(ワン・オア・エイト)の寿司シェフである吉田一男氏は、「現在、市場に出回っている鰤(ぶり)の約99%は養殖。普通の養殖ものは春先から夏にかけての産卵期は品質が良くないけれど、『四季鰤』は一年中安定していてキメが細かくて見た目にもキレイだし、適度な脂で味わいもある。うちでは寿司はもちろん、フィッシュ&チップスとして出したりもしています」と話してくれた。「いつも同じ鮮度・味わいの商品が届くということは、顧客にそれを提供する店側にとっては何より大切で、ありがたい」と語る吉田氏の目は真剣だ。
 日本の高い技術で育てられたおいしい鰤(ぶり)を日本出荷後、最短3日後には食べられるニューヨーク。お気に入りの寿司屋やレストランで、「今日は『四季鰤』ある?」とぜひ聞いてみたい。

■輸入元
Global Ocean Trading
www.globaloceantrading.com

■販売元
Nishimaru USA
www.nishimaru-usa.com
詳細:718-782-2049(担当/コガワ)