ピア17の全店舗が営業終了 来月には取り壊し

 イースト川沿いの人気観光スポット、サウスストリート・シーポートにあるショッピングモール「ピア17」が来月取り壊されることとなり、9日には全店舗が営業を終了した。
 取り壊し工事は10月1日に始まり、2億ドルをかけて新しいショッピングモールが建設される。ピア17を所有する不動産開発業者ハワード・ヒューズ・コーポレーション(HHC)がことし3月ニューヨーク市へ提出した計画書によると、新しい建物は3階建てのガラス張りで屋上スペースがあり、小売店の他に高級飲食店やスーパーマーケットが入る予定。
 開業して30年になるピア17は、老朽化が進んでいた上、昨年10月のハリケーン「サンディ」による洪水で施設全体が大きな被害を受けた。このため営業再開を断念した店舗もいくつかあり、約1年経った現在も、客足は元に戻っていなかった。
 取り壊し工事は当初春に予定されていたが、HHC側とこの計画について協議を重ねてきた、地域委員会コミュニティー・ボード1の会長の申し入れにより10月に延期されていた。これは夏の観光シーズンの営業で、ピア17の各テナントに少しでも損失を取り戻してほしいとの配慮から。
 テナントの多くは2年後に戻りたいと話しているが、HHCの広報担当者は「新しい建物に現在のテナントが戻るかどうかについては答えられない」と話している。