福寿 FUKUJU

長寿と富がもたらされるよう願いをこめた一本


 兵庫県の灘五郷は、「灘の生一本」で知られる日本酒の名産地であり、現在も有名酒造メーカーをはじめ多くの蔵が点在する。その灘五郷のひとつ御影郷で、さかのぼること約260年前の宝暦元年(1751年)12月に「福寿」の歴史はスタートした。七福神の一柱「福禄寿」に由来し名付けられたこの酒は生産量を追わず、美味しさを極めるために、伝統的手法である完全手作業の「箱麹法」による麹造りを取り入れているほか、蒸米は甑(こしき)を使用するなど、仕込みごとに個性を大事にする丁寧な酒造りを行っている。

 一方、時代の変化にも対応すべく、若い蔵人たちと共に飲みやすさと飲み応えを追求してきた。その象徴こそが、昨年のノーベル賞受賞晩餐会において提供された「福寿 純米吟醸」である。時間をかけて造り出されたこの酒は、飲む前の印象として淡麗な味を想像させる。だが、口に含んだ瞬間に広がるフルーティーな香りと日本酒の風味を存分に感じる程よい旨味は、気品の高い白ワインを彷彿させる。ボトルカラーに表現されているように、爽やかに飲みやすいこの一杯は、野菜スティックなど素材を楽しむ料理と共に十分に冷やしてワイングラスで味わうのがおすすめ。
 また「純米酒 御影郷」は、その名の通り伝統の生一本と呼ぶにふさわしい豊かなコクとキレのある辛口。2013年全米日本酒歓評会では金賞を受賞した。空気に触れることで旨味が増す、味わいを重視したこの一杯は、冷酒だけでなくぬる燗でもぜひ味わいたい。
 さらに注目は、徳島県産・鶯宿梅の大粒の青梅のみを使用して仕込んだ梅酒を瞬間凍結させた「福寿 凍結梅酒」。この日本でも唯一の凍らせた梅酒は、さわやかさと氷の舌触りが絶妙のバランスだ。(来年発売予定)

株式会社 神戸酒心館
兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-8-17
www.shushinkan.co.jp

販売元 : JFC International, Inc.