日本酒を愛し育てるという志を持つ 酒サムライ

 日本全国の若手蔵元で組織する日本酒造青年協議会は、日本酒文化を日本のみならず世界に広めていくために2006年、「酒サムライ」を結成しました。当時すでに日本酒愛飲家のためのオンラインコミュニティー「アーバン・サケ」を設立し、活動をしていた私は2007年に「酒サムライ」のタイトルを叙任しました。とても名誉なことです。

 酒サムライの就任式典では、①日本の美しい文化を愛し、日本酒を愛す ②日本酒文化をより深く理解し、その発展に尽くす ③情熱と誇りを持って、日本酒を広く世界に伝える という3ヵ条の誓いを交わします。
 この3ヵ条を初めて読んだ時、私はとても感動しました。そして、情熱を持って世界に日本酒を広げようと決意しました。そして、酒サムライ叙任から3週間後、私は初めてニューヨークで酒セミナーを開催しました。まだまだ未熟なセミナーではありましたが、振り返れば日本酒の伝道活動において重要なポイントは、まず始めること、そして行動を起こすということです。それが実現できたことを今でも嬉しく思っています。

 私のセミナーでいつも伝えていることのひとつが「日本酒とは、グラスの中の日本文化」ということです。日本酒について学ぶと、日本の歴史、遺産そして生活スタイルについてもより深く知ることができます。酒サムライとして、日本酒と日本文化を世界中で分かち合うことをとても誇りに感じています。
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 利き酒師として4年間ニューヨークのレストランに勤めたのち、2008年、日本酒を主軸にニューヨークで酒がサーブされる現場のプロとして、造り手と飲み手を繋ぐリエゾン役になれたらと思い、「Sake Discoveries LLC」を設立しました。そこで蔵元のPRエージェント、イベントプランニング、レストランの日本酒リストのコンサルタント、スタッフトレーニングなどを主な活動として行ってきました。

 その私が「酒サムライ」に叙任されたのは12年のことです。知らせを受けた時は、純粋に嬉しかったです。この街で日本酒を紹介することによって、世界中のひとりでも多くの人に日本酒を通じて日本という素晴らしい国の魅力を伝えたいという気持ちでやってきましたので・・・。叙任後も、それまでと変わらず活動を続けていますが、責任感や使命感がより一層強くなったと実感しています。

 世界中の人々が集まるメルティングポットで、日本人として、ニューヨーカーとして酒サムライだと胸を張れることは、私にとって何よりも名誉なことです。酒サムライというタイトルはまだまだ国内でも知っている方は少なく、かつ、叙任者も少ない。でも、「サケ」そして「サムライ」という言葉は世界中の多くの方が知っている。「酒サムライです」というだけで、会話がスタートできることは新たなコミュニケーションツールとしても活躍しますし、その後にお酒をサーブすると、皆さんより美味しそうに飲んでくれているような気がします。笑

 ニューヨークで活躍する酒サムライの二人が、また新たな日本酒の楽しみ方を提案―。
全国の酒蔵と地方グルメを紹介するツアー企画会社「Sake Journeys」を設立する。酒サムライと共に、蔵元や蔵人とはもちろん、その米を作る農家やその土地の工芸、そしてローカルグルメと触れ合い、その土地のアンバサダーとなってもらいたいと考えているのだ。
 また、ツアー参加後もその人が住んでいる場所でさらなる楽しみに繋がるような、酒蔵とその蔵がある街、ニューヨーク、または参加者が住んでいる街を繋ぐようなプロジェクトを企画していく。