NY市、タクシー運転手に責任なしと判断 左脚失った被害女性ショック

 ことし8月にマンハッタン区ミッドタウンでタクシーが通行人の集団に突っ込んで複数人に怪我を負わせた事故について、ニューヨーク市は故意であったことが立証できないとして、タクシーを運転していたフェイサル・ハイモンさんを刑事告発しない考えを明らかにした。
 マンハッタン検察はこの決定について、「専門家が運転手本人への尋問を行った上で、すべての証拠を検証し、関連する法令に基づいて判断した。目撃者の証言、監視カメラの映像、911への通報記録、タクシーの通信記録などをすべて調査した」と説明している。
 一方、この事件で左脚を失った英国人旅行者のシアン・グリーンさんの弁護人は、「グリーンさんと家族は、今回の決定に非常にショックを受けている」とし、今後も訴訟の可能性を探っていく考えを明らかにしている。
 ハイモンさんは、タクシーで通行人らをはねる直前に、メッセンジャーと口論になり、危険な運転をしていたことが分かっている。
 またニューヨーク州タクシー運転手連盟はこの事故について、「責任はメッセンジャーにある」という立場を示しており、「商業目的のために自転車に乗る人は市への登録を義務付け、常識的なルールに従わなかった場合には許可を剥奪すべき」だと訴えている。