第32回 MASQ

仮面とアンティークに囲まれ食すのは、洗練のニューオーリンズ料理

 通りを歩いていると、「MASQ」という大きなサインと共に、窓越しにU字型のきらびやかなバーカウンターが目に入る。「なーんだ、バーラウンジか」と通り過ぎてしまわないで! バーカウンターの奥に続く細長い店内は、壁には「Life is a Masquerade!」という文字と共にたくさんの仮面が飾られ、アンティークの椅子や調度品が並ぶ。この店では洗練されたニューオーリンズ料理を味わうことができ、これが実に日本人の口に合うのだ。

 ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれたケイジャン料理は、地元で手に入る食材を生かした素朴でシンプルな庶民の料理。米やパンを主食に、エビやカニといった魚介類がふんだんに使われ、やや辛めの味付けが特徴である。

アンティークで彩られた (左から)バー、プライベート パーティールーム、ダイニング

「PROSCIUTTO FIG FLATBREAD」(昼12ドル/夜15ドル)ゴートチーズや削ったペコリーノ・ ロマーノとプロシュート、シャキシャキのアルグラ、甘みのあるイチジクがたまらない!

ニューオーリンズを代表するもうひとつのクレオール料理はフランス、スペイン、西アフリカ、南米といった複数の食文化の影響を強く受け、イタリア料理の特徴も含んでいる。このクレオール料理に、オーナーのジョージ氏と共に店を支える妻のノーラ氏はトスカーナの血を引いていることもあり、日本人の口に合うよりイタリアンに近いニューオーリンズの味が自慢だ。

揚げ物のメニューも多いが、これが全く重くなく、サクサクとした歯触りでいくらでも食べられてしまう美味しさなのだ。

 歌って踊れるステージやカーテンで囲まれたプライベートルームもあり、まるで誰かの自宅に招かれたようにくつろげる空間が広がる。バースデーパーティーや特別な記念日に使える店として、ぜひ覚えておきたい。

「JAMBALAYA」(17ドル)魚介やチキンがふんだんに使われたお馴染みのジャンバラヤだが、味の決め手はスパイシーなソーセージ

*写真は、テイスティング用のため実際のメニューの量とは異なる場合があります。

MASQ
306 E 49th St, New York, NY 10017(bet 1st & 2nd Ave)
☎212-644-8294
www.masqbar.com
■営業時間/
ランチ(月〜金曜日):11:30am~4pm
ディナー(月〜水曜日):4pm~10pm
    (木〜土曜日):4pm〜1am
ハッピーアワー(月〜土曜日):4pm~8pm
■定休日/日曜日