第33回 「酔後知楽」

日本酒×絶品洋食で今宵はほろ酔い 新感覚バルがオープン

 サーモンのカルパッチョにラム肉のソテー、生ハムにタコのオリーブ漬けーとくれば、多くの人がワインを思い浮かべるはずだが、今秋、ニューヨークにこの概念を覆す、おもしろい店がオープンした。

ムール貝やタコ、海老などの魚介がたっぷり入った 「ブイヤベース(16ドル)」。本格的な食事メニューも充実しているので、お酒を飲まない人でも充分楽しめる

 マンハッタン区キップスベイの一角に佇む「酔後知楽(すいごちらく)」は、日本酒と洋食のマリアージュが楽しめる新感覚の〝日本酒バル〟。人気の銘柄からレアなものまで常時150種類の日本酒を揃えており、カウンター席ではニューヨーク屈指の酒ソムリエ・赤星慶太さんによる日本酒談義も聞くことができる。
 「『日本の洋食と日本酒の組み合わせ?!』と驚く方も多いですが、意外と合うんですよ」と話すのは、同店マネジャーの小林悠太さん。「合鴨のジューシーソテーねぎ味噌ソース添え」や「バーニャカウダ」など、各メニューには日本のテイストが盛り込まれており、これが日本酒と実に素敵なケミストリーを生み出している。

同店いちおしの人気メニューは「本日のおつまみプレート(20ドル)」。この日は、タコのオイル漬け、牡蠣のオイル漬け、サーモンのカル パッチョ、イベリコ豚の生ハム、デーツのベーコン巻き、オリーブの6点盛り。ボリュームも満点!

NY屈指の酒ソムリエである赤星慶太さん(左)とマネジャーの小林悠太さん

 スペインやイタリア料理に欠かせない生ハムやオリーブ、チーズなどの食材は本場から取り寄せ、新鮮な野菜はローカルの有機栽培のものにこだわるー。「原価ギリギリですが、そこはプライドを持ってやりたい」と、小林さんははにかみながらも強調する。
 現在はハンバーグやボロネーゼ、牡蠣のグラタンなどのレギュラーメニューを約30品揃えているが、今後は並行して季節ならではの期間限定メニューも拡充していくという。

「何だかおもしろい発見」を楽しみたいなら、ガラス張りのこのオシャレな日本酒バルがおすすめだ。

酔後知楽
430 3rd Ave(bet 29th & 30th St), NYC
☎212-696-4500

■営業時間
月~木: 6 pm~12 am
金・土: 6 pm~ 12:30 am
 日 : 定休日