「メイクとは、心の中をキレイにするためのもの」
現在45歳──12歳になる娘がひとりいるという。インタビュー会場に入って来た彼女は、想像していたよりも小柄な人だった。黒くて長い髪を頭の高い位置できゅっと縛り、ほとんど「色」を感じさせない素顔のようなメイク──それが、初めて会った化粧師「AYUMO」氏だった。
初めてロンドンを訪れたのは、20歳の頃。メイク、音楽、英語を学ぶためだった。アンダーグラウンドなものが好きな彼女が選んだ先は、ニューヨークでも、パリでも、ミラノでもなく、ロンドンだった。日本とロンドンを行き来する生活が、何年か続いた。
日本に戻りメイクアップアーティストとなった彼女は、大阪のサロンにやってきた顧客のひとりの女の子をきっかけに、人が持って生まれた顔には環境や問題がみんな現れていて、それにはちゃんと傾向があることに気づく。また、その後の人生によって、顔も変わる。両親の仲が良ければ目が離れていて下付きの子が生まれやすく、そしてモテる。そうでない家庭の子は目の間隔が狭く求心的な顔立ちになりやすく、自分だけの世界観があるが、頑固で婚期を逃しやすい。ハッキリと力強い眉の人は、女性が強い家庭で育った人が多い。──でも、どうしたらそれを人に理解してもらえるだろう。信じてもらえるだろう。顔相を学び、女の子たちが抱える問題に耳を傾け、彼女たちの顔の特徴を大学ノートに細かく書き留め続けた。
そこで生み出したのが「スパイダーライン」という自分自身の顔を知るための方法だった。アイライナーペンシルで顔のいちばん出っぱっているところや、へこんでいるところを文字通りスパイダーマンのようにラインでつなげていく。すると、顔は左右対称ではなく、ゆがんでいることに誰しも驚かされる。「頭で考えたこと、心で思ったことがスクリーンとなって顔に表れるのが『顔相』。少しでも心でゆがんだことを考えると、顔もゆがむんよ」と愛嬌のある大阪弁で、彼女は教えてくれた。
「メイクはね、顔をキレイにするだけじゃない。心の中をキレイにするためのもの」だとAYUMO氏は、こちらの目を見て諭すように話す。自分自身の骨格や顔相を知り、向き合い、足りないところを足していくことで、なりたい自分になれる。顔のゆがみをメイクで補うことで、人は自信を持ち、その人の周りにまた人が集まって来る──メイクで心や運気を変えていくのだ。
日本にとどまらず、世界中を飛び回り、幸せメイク術を伝道する化粧師AYUMO氏の夢は、「おばあちゃんたちに口紅を塗ってキレイにしてあげたり、お母さんを知らない子どもたちの眉をカットして、抱きしめてあげること」なのだという。
■プロフィール
大阪府出身。日本のシュウウエムラJMCメイクアップスクールを卒業後、ロンドンへ留学。帰国後、フリーランスのメイクアップアーティストに。大阪にサロンをオープンし、堺女子短期大学の専任講師として活動するほか、顔の相を読み取り、幸せ度をアップさせる開運メイクアップの「化粧師(けわいし)」として、パリ・ローマ・香港など、世界を舞台に活躍中。3月には、米国紀伊國屋書店NY本店で著書「あなたの呪いは顔に出る」(中経出版)が発売予定。5月には、再びNYでの講演会および開運メイクのプライベートレッスンも。
ameblo.jp/ayumokyc
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