滞在資格得た不法移民、強制送還の危機 NYPDの不手際で

 長年にわたり米国に不法滞在し、ようやく合法的に滞在できる資格を得た中国系移民の男性が、ニューヨーク市警察(NYPD)の書類上の不手際により、強制送還の危機に直面している。
 ブルックリン区に住むレン・フ・へさん(46歳)は昨年1月、暴力犯罪の被害に遭った不法滞在者が警察の捜査に協力することで、合法的な滞在資格が与えられるという連邦制度により、Uビザを取得した。NYPDの記録によると、へさんは2002年のクリスマスイブ、勤務していたブロンクス区の飲食店の出前の配達中に、武器を所持した凶悪犯から暴行を受けた。へさんは、犯人逮捕につながる有益な情報を提供したとして、NYPDの第49管轄所のロレンツォ・ジョンソン警部が移民局にへさんの身元を保証し、ビザの取得資格が与えられた。
 だが、その1年後、NYPDは移民局へ連絡し、レイモンド・ケリー前警察本部長だけに承認権があるため、へさんの滞在資格は無効であると指摘した。
 5月10日までに、ウイリアム・ブラットン現本部長から書類に署名をもらえなければ、へさんは強制的に中国へ送り返されることとなる。
 へさんは米国で結婚しており、2人の子どももいる。