牛ひき肉180万ポンドをリコール O-157感染の恐れ


 米農務省は19日までに、病原性大腸菌O-157に感染している恐れがあるとして、180万ポンドの牛ひき肉のリコールを発表した。
 O-157の感染者はこれまでに、マサチューセッツ州、ミシガン州、ミズーリ州、オハイオ州在住の11人が報告されており、うち半数は入院している。
 同省食品安全検査局の調べでは、病原菌に汚染した牛ひき肉製品は、ミシガン州デトロイトの精肉会社ウルバリン・パッキング・カンパニーでことし3月31日から4月18日までに製造された牛ひき肉180万ポンド。製造後は卸売業者を通してレストラン用として全米各地へ出荷されていた。
また同局では、リコールの対象製品が小売業者で販売されている可能性もあるとして、さらに調べを進めている。
 ウルバリン・パッキング・カンパニーは20日、「同社の製品から現時点では病原菌は検出されていないが、安全のため自主回収に踏み切った」との声明を発表した。
 O-157に感染すると、激しい腹痛や出血を伴う下痢、嘔吐などの症状が現れる。また抵抗力の低い幼児や高齢者では、死に至る場合もある。
 感染を防ぐためには、肉を完全に加熱調理する必要があり、温度計で内部温度を確かめることが勧められている。その場合、牛ひき肉なら内部温度が華氏160度、牛、豚、ラム肉は145度、鶏肉は165度が目安としている。
 米国では毎年多くの人々が0-157に感染していると言われており、もっとも多い感染源はハンバーガーとされている。