市相手取る民訴、37%がNYPD 警官による職権乱用、傷害や差別

 ニューヨーク市会計監査官スコット・ストリンガー氏の報告書によると、市を相手取った民事訴訟のうち、市警察(NYPD)に対するものが全体の3分の1以上を占めていることが分かった。
 2013会計年度にニューヨーク市が提訴された訴訟全体の37%にあたる9502件がNYPDに対するものであった。同時期に市は、警察関連の和解や裁判に1億3720万ドルを支出している。この金額は、2013会計年度に市が損害賠償で支出した総額5億ドルの4分の1を上回る。
 市が負担する訴訟にかかる費用は年々増加しており、今年度の市の予算のうち、6億7400万ドルを賠償金の支払いに充てる費用として確保。18年には7億8200万ドルまでに膨れあがることが推定される。1995年にはこの費用は2億4600万ドルで、2001年は5億6560万ドルであった。
 同報告書は、NYPDや公園局、健康医療法人、環境保護局、衛生局など市の5機関に対する訴訟の数や場所を記録した。同氏が作成を始めた賠償要求統計報告書の一部。同氏は、「異なった地域を比較すれば、問題についてより優れた分析が可能になる」と、報告書の有益性について述べた。カリフォルニア州ロサンゼルス市やオレゴン州ポートランド市でも同様の制度が採用され、訴訟件数が減少しているという。