NY市長が初訪問 悪名高きライカ―ズ刑務所 

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 ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は17日、看守による受刑囚への虐待など、多くの問題を抱えたライカ―ズアイランド刑務所を市長就任以来、初めて訪問した。
 同刑務所では今年2月、室内温度が高温となった精神病棟に、付き添いもなく放置されていた受刑囚が、異常高熱で死亡するという事件が起きた。8月には、看守らによる青少年受刑者に対する、不必要で度を超えた暴力行使のまん延といった市矯正局による組織的な人権侵害が明るみになっている。今月には、麻薬や禁制品を刑務所内に持ち込んだ看守が、連邦裁判所で有罪判決を受けており、有害な洗剤を飲み込み治療を求めていた受刑囚を放置し、死亡させた看守長に対する裁判が開始されたばかり。
 一連の事件が発覚して以来、同刑務所では、監視カメラの設置、性転換者専用棟の新設、精神障害を患う受刑囚への対応の仕方などを含む看守の訓練方法の改善が実施されている。
 NY市矯正局長ジョセフ・ポンテ氏(DOC)は、16歳と17歳の受刑者の独房監禁を年内に廃止することを約束しており、同刑務所の上層部指導者の90%の人事異動を行ったと発表した。また、今年9月、市の刑務所制度の全面的見直しをコンサルタント会社に依頼している。
 市によると、同刑務所には1日平均1万1000人が収監されているという。