ミッドタウンのカフェ・エジソンが閉店 惜しむ声止まず

 長年多くのニューヨーカーに親しまれ、常連客が毎晩席を埋め尽くしていたミッドタウンの人気ダイナー、カフェ・エジソンが21日をもってその歴史に幕を閉じた。
 二人のホロコースト生存者が1980年に創業したカフェ・エジソン。マッツァ・ボール・スープなどのユダヤ系メニューを展開し多くの客を虜にしてきたが、家賃高騰を受けて閉店せざるを得なくなったという。
 カフェ・エジソンはエジソンホテル内に店を構えており、ホテルは「34年間続いた私たちのパートナーシップを大切にし、経済的支援を行う」と話しているが、カフェのオーナー、ジョーダン・ストール氏は「ホテル側は自身の知名度向上を狙っているだけで、私たちを本当に支援する気はない」と提案を断った。
 しかし閉店をなんとか食い止めようとファンは行動を起こしており、人気ラジオ番組 This American Lifeの司会を務めるイラ・グラス氏は嘆願書を書くなどして呼びかけを始めている。毎日昼食を食べに来ていた時に友人からラジオ番組を紹介され、そこから人気ラジオホストになったピーター・セガル氏も「ここは私の原点。ニューヨークはまた一つ大切なものを失うことになる」と閉店を惜しんだ。
 「汚くもおしゃれでもないが、ほっと一息つけ、世代の異なる人と交われる場所だった」と常連客の一人は語った。