Vol.2「フォーシーズンズレストラン」の三浦眞洋さん

常にオープンマインドでいたいですね。

モダニズム建築を代表するふたりの建築家、フリップ・ジョンソンとミース・ファン・デル・ローエが手掛けた、「フォーシーズンズ」はニューヨークを代表する老舗レストラン。パワーランチはここから始まったと言われるように政財界のVIPが贔屓にすることでも有名だ。三浦眞洋さんは今春から同店でスーシェフを務めている。
辻調理師専門学校出身。地元長崎とサイパンのホテルを経て、在ニューヨーク日本国総領事館大使公邸、続いて国際連合日本政府代表部特命全権大使公邸の料理人として通算5年、日米外交を裏で支えた後、アメリカンシーフードの名店「オシアナ」のスーシェフに。公邸お抱えシェフから転身する時には、ミシュラン星付きの店をしらみつぶしにあたったというから、穏やかな外見からは想像できない根性の持ち主だ。
常に意識しているのは「オープンマインド」。食材や人材がボーダーレスとなった現代は、自由な発想でどこまで魅力あるメニューを生み出せるかが勝負となる。自らの思考やテクニックはすべてフランス料理から来ていると話す三浦さんにとって、正統かつ端正な「フォーシーズンズ」は、うってつけでありながらチャレンジングな舞台。「老舗の流儀を守りながら自分の味を追求したい」。どこまでも謙虚に語った。

シェフのとっておき

「プリザーブドレモン」

 インドや北アフリカでよく使われる香味料です。果皮は刻んでサラダやパスタに。漬け汁はドレッシングや肉・魚料理に。写真は、オレンジに近い風味で、果皮の白い部分の苦みが少ないマヤレモンで作ったものです。

【作り方】
①レモンはよく洗い水気をふき両端を切り落とし、くし形に切る
②殺菌したガラス瓶にレモンとレモンの重量の10%を入れる
③冷暗所(夏季は冷蔵庫)に保存し、塩が溶けて水が上がるの
 を待つ。1日1回は上下に振り水分と塩をなじませる。
*食べられるようになるのは最低でも1か月後、流水で塩気を
 洗い流してから使う。