なぜ嘘をつくの? エイプリルフールの起源

 4月1日といえば「エイプリルフール」。この日だけは〝嘘をついても許される〟とされており、「いや〜転んで骨折っちゃったよ」「かわいい女の子に告白された!」など、どうでもいい小さな嘘をつきあって騙し合いをして楽しんでいる人も多いのでは。
 誰もが知っているこの風習、実はいつどこで何が起源となり始まったのかは定かではないという。もっとも有力とされる説は、フランスの「嘘の新年説」。
 1563年まで3月25日が新年とされていたヨーロッパでは、4月1日まで春の祭りを開催していたが、その翌年から当時フランスの王であったシャルル9世が、現代と同じ1月1日を新年とする暦を採用すると発表。これを不服に思った民衆が、4月1日を「嘘の新年」とし、騒いだり馬鹿をやったりした。それを見た王は憤り、「嘘の新年」を祝う者はすべて有罪、処刑するという暴挙に出た。それから、王の身勝手な行為への抗議の意を込めて、毎年4月1日に「嘘の新年」を祝い続けた。これが後にエイプリルフールとして世界中に広まったという。
 その他「人が不幸になる嘘はダメ」「エイプリルフールについた嘘は現実には起こらない」「嘘をついていいのは午前中だけ」など様々な噂があるが、いずれも根拠は不明。
 日本では文字通り「四月馬鹿」、フランス語では「プワソン・ダヴリル」(Poisson d’avril, 四月の魚)などとも呼ばれている。
 ちなみにこの日は各メディアや企業もユニークな〝ネタ合戦〟を繰り広げており、検索エンジングーグルは初っぱなトップページのロゴが反転、またグーグル・マップの現実の市街図上を、往年の人気ゲーム「パックマン」のステージにしてしまうなど、閲覧者を笑顔にさせている。
 あまりにもリアルな嘘や嫌な気持ちになる嘘を言って「(日本では)新年度の始まりである引き締まった日に嘘なんて!」と思われない程度のかわいらしい嘘にとどめておこう。