老舗チーズケーキ屋がNYを去る? 「ジュニアーズ」の工場がNJに移転

 ニューヨークの老舗ダイナーでありチーズケーキが有名な「ジュニアーズ」は、現在クイーンズ区マスペスにあるベーカリー工場をニュージャージー州バーリントンへ移すことを明らかにした。同社は移転理由を「メールオーダー事業の拡大に伴い、現在のベーカリーが手狭になったため」と説明している。
 マスペスの工場では、60人の従業員が同社レストランや小売店、およびメールオーダー向けにケーキ類を製造しているが、より広い冷凍貯蔵庫を備えた新工場では、生産能力拡大に十分対応できるとしている。
 他州へ移転することについて、同社3代目オーナーのアラン・ローゼン氏は「味はまったく変わらない」と断言し、「チーズケーキはベーグルのように水を使わないので品質に影響はない。65年の歴史を今後も引き継ぐ」と話している。
 昨年同社は、本店の店舗を4500万ドル(およそ53億円)で売却することでほぼ同意に至っていたが、ローゼン氏は直前になり撤回し、ブルックリン区で営業を続ける選択をしている。
 同社は1950年に開業、ブルックリン区の本店に加え、タイムズスクエア、グランドセントラル駅、コネチカット州のフォックスウッド・リゾートにも店舗がある。毎年100万個以上が販売される「元祖ニューヨークスタイル」のチーズケーキは市民や観光客から親しまれている。