NY州知事がキューバ訪問 貿易促進を目指し

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は20日、キューバとの商談を成立させるため、首都ハバナを訪れた。
 同日正午前に到着した知事は、政府関係者との密室会談や地元のビジネスリーダーとの円卓会議、ハバナで学ぶニューヨークの大学生らとの交流、キューバ大司教区のジェイミー・ルーカス・オーテガ・Y・アラミノ枢機卿との会談、地域の散策をした。
 空港からの高速道路の各所には、フェデル・カストロ前議長による革命を称賛したり、米国の通商禁止を非難する看板がみられたというが、知事は「面会した人々は皆とても親切だった」と語っている。政府関係者との会談で、キューバでの人権問題について持ち出すことについては、「適切な時期がくれば」と慎重な姿勢をみせた。
 批評家は、知事の訪問は、ラウル・カストロ議長の抑圧的な政権をつけあがらせるだけだと批判しており、ニューヨーク共和党財政委員会委員長でキューバ系米国人のアーカディオ・カシラス氏は、「ニューヨーク州知事がキューバを訪れるなど、道徳を超越している。税金を使い、カストロ政権の被害を受けてきた家族を持つキューバ系米国人を侮辱している」と批判した。一方、知事は「この取り組みは好ましい変化をもたらすだろう」と主張している。