虚偽の逮捕で事故隠ぺい? 男性がNYPDに賠償請求

 ブルックリン区在住の男性が21日、ニューヨーク市警察(NYPD)と市を相手取り、調査と懲罰を求める訴えを起こしていたことが分かった。男性の車に衝突した事故の責任はNYPDの警官2人にあるだけでなく、事故の隠ぺい目的で自分を逮捕したことは不当だと主張している。
 オリバー・ウィギンズさん(31)は4月19日、同区イーストフラットブッシュのグレンウッドロードと43丁目の交差点で、一時停止の標識を無視し進入してきた警察車両に側面から衝突された。事故後車両を運転していた警察官は、ウィギンズさんに謝罪し救急車を呼んだ。ウィギンズさんは呼気検査に同意し結果は陰性であったという。しかし救急車で搬送後、もう1人の警察官によりウィギンズさんは飲酒運転の罪で逮捕された。
 ウィギンズさんの弁護士スコット・ライネッキー氏は「これは事故を隠ぺいするための逮捕」だとしたうえで、事故を起こしたのは警察側で逮捕と留置は不当であるとして、NYPDと市を相手取り損害賠償請求の通知を提出したことを明らかにした。同氏によると、レポートにはウィギンズさんは「目が赤く足元がふらついていた」と記されているが歩行検査は受けておらず、また「アルコールの匂いがした」との記述もあるが、呼気検査の検査官はこれは事実と異なるとしている。
 ウィギンズさんはその後アルコールおよびドラッグ検査が陰性であったため不起訴となっている。