有名資産家が学校に巨額の寄付 ヘッジファンドのポールソン氏

 有名資産家のジョン・ポールソン氏が、ニューヨーク市最大のチャータースクール「サクセスアカデミー」へ850万ドル(約9億円)を寄付したことがこのほど明らかになった。
 サクセスアカデミーは、市内の貧困地域で32校を運営するチャータースクールで、総生徒数は1万1000人に上る。2006年の設立以来同校の生徒は軒並み学力の向上を示しており、学力テストでは一般の公立校の生徒を大幅に上回る成績を記録している。
 このため同校へ入学を希望する生徒の数は増加する一方で、今年度は2300人の募集に対し約10倍の応募があり、競争率は「アイビーリーグ並み」と言われている。今回の寄付金は来月開校する2つの中学校の施設費に充てる予定で、今後も学校数を増やす計画だという。
 個人資産112億ドル(約1兆4000億円)を保有するポールソン氏は、今回の寄付について「貧困から抜け出す唯一の手段が教育であり、同校にはそれを実現する力がある。いつかここからハーバードへ行ってほしい」と話した。なお、同氏は6月に母校ハーバード大学へ4億ドル(約490億円)の寄付をしたばかり。
 チャータースクールは、教師、親、企業などが公費で自主運営する公立校で、現在市内では8万人以上の生徒が197のチャータースクールで学んでいる。