勤務時間を午前9時〜午後5時に定めている会社は多い。しかし、オックスフォード大学神経科学研究所のポール・ケリー博士が英国で開催された科学分野におけるイベントで発表した内容によると、朝9時から授業や仕事を始めることは、肉体と精神に多くの悪影響を及ぼすという。
一般的に、研究者が生活のリズムと睡眠不足について論じる場合、子どもや若者を研究対象にすることが多いが、若年層の体内リズムは、朝9時〜午後5時の行動パターンに合っておらず、対象者に〝9時始業〟を当てはめた場合、睡眠不足となる可能性が高く、体に大きな負担をかけているという。
ケリー博士は、約24時間周期で変化する生理現象(サーカディアン・リズム)に基づいた実験により朝の活動開始推奨時間を割り出している。それによると、10歳は午前8時半、16歳は午前10時、20歳前後では午前11時から授業を始めた方がより効果的に学業に集中することができるとされている。朝のスタートとして推奨される時間は、10代半ばで既に9時を超えているのだ。
年齢によって違う朝の活動開始推奨時間は、学生のみならず社会人にも同じことが当てはまり、睡眠不足のせいで気付かぬうちに深刻な問題に発展するケースもあるとケリー博士は分析する。
また、睡眠不足のせいで命を落とすこともあるといい、睡眠不足の学生は十分に睡眠をとった学生と比べて、通学中に交通事故に遭うリスクが高い。同研究結果のみが原因ではないが、英国では授業の開始を遅らせようとする動きもみられるという。
経営者は自身の出勤時間を自分で管理することができるが、社員においては全員が自由な時間に出勤できる会社はそう多くない。しかし、睡眠不足は慢性的な疲労感や肥満リスクの上昇だけでなく、うつ病の原因やアルコールの過剰摂取、薬物乱用のきっかけにもなるというので、日頃から十分な睡眠をとるように気をつけたい。
ケリー博士の研究結果を報じた英テレグラフ紙がウェブサイトで行っている、「何時から仕事を開始したいか」というアンケートでは、1位が10時で42%、2位は9時の12%となっている(2015年9月24日現在)。実際に朝のスタートは9時より遅いほうがいいと望む人は多いようだが、すぐに状況を変えることは難しいのが現実だろう。まずは健康を第一に考え日々の任務に徹したい。
※参考:www.telegraph.co.uk/news/science/science-news/11851311/Staff-should-start-work-at-10am-to-avoid-torture-of-sleep-deprivation.html

学校も会社も朝は10時から!? 早すぎると心身に悪影響の可能性
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