警察の逆恨み? 警官殺害犯ほう助は事実無根と訴え

 クイーンズ区在住の男性が、先月警官から理不尽かつ激しい暴行を受けたとして、市に対し1000万ドル(約12億円)の賠償を求める訴えを起こすことが分かった。昨年末、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官2名が射殺される事件が発生したが、その事件当時、犯人から偶然道を聞かれた男性が犯人をほう助したとみなされたことによるものだった。
 代理人の弁護士によると、クイーンズ区在住の元フェデックス運転手カリム・ベーカーさん(26)は、ことしに入ってからおよそ20回ほど仕事で運転中に交通違反をしたとして警官から呼び止められることが続いた。先月20日も再び道に車を止めるよう求められた際、警官に異議を申し立てたところ、2人の私服警官から激しい殴打を受け、逮捕に対する抵抗、妨害罪、消火栓そばへの駐車といった「でっち上げ」の罪に問われたと主張している。
 ベーカーさんは昨年12月20日、警官を射殺する犯行前のイズマイル・ブリンスリー被告から偶然道を尋ねられ場所を教えた。事件後NYPDは、防犯ビデオの映像から2人が言葉を交わす場面を発見し、本人や親族、仕事の同僚などへ何度も質問に訪れた。弁護士によると、ベーカーさんはこの9カ月間、シグナル無しのレーン変更や停止不十分といった軽度の交通違反による停止を何度も命じられたが、違反切符は一度も発行されていないという。ベーカーさんは、これらを警察の嫌がらせだと考えている。