私立校の警備費用を市が負担 政教分離違反だと批判相次ぐ

 市の私立校および宗教団体が運営する教区学校が警備員を雇う費用を、市の予算で負担するという条例案が7日、ニューヨーク市議会で可決されたが、これを巡って関係者から批判の声が上がっている。
 同条例案は、市内の300人以上の生徒が通う私立および教区学校が、武器を持たない警備員を雇用するために支払った費用を、市が払い戻すというもの。警備員には、市会計監査官が定めた組織労働者の標準に合わせたレートの賃金が支払われるが、最初の年には年間1980万ドル(約24億円)が費やされる計画になっている。
 ブルックリン区選出民主党市議会議員のデビッド・G・グリーンフィールド氏が提出した同条例案は当初、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官を各校に派遣し警備に当たらせるというものであったが、費用が高額になるうえ、NYPDのビル・ブラットン本部長からの支持を得られず、ビル・デ・ブラシオ市長が提案した妥協案に変更された。しかし一部からは、「同条例は政教分離に違反する」、「市長が同条例案を支持する理由は、安全性に対する懸念というよりも政治的なものだ」などと批判の声が聞かれている。
 市長は同日行われた記者会見で、この条例案に署名する意向を明らかにしている。

Florian Ramel