母子刺殺でホテルシェルター閉鎖 事件当時の警備ゼロ

 ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は10日午後、ホームレスシェルターとして使用されていたスタテン島のホテルで殺人事件が起きたことを受け記者会見を開き、同ホテルのシェルターを直ちに閉鎖すると発表した。
 スタテン島ギャノン535番地のラマダ・インで同日午前、マイケル・サイクス被告(23)は交際相手の女性とその娘2人を刃物で刺し殺害した。同ホテルには夜間の警備員が配備されていたが、事件が起きた時刻にシェルターの警備にあたっていた者は誰もいなかったという。被告には、家庭内暴力の前歴はなかった。
 ことしに入ってから、特別支援学級の元教師がイーストハーレムのシェルターで精神病歴のあるルームメイトに刺殺されるなど、市のシェルターでは殺傷事件が連続して起きている。スタテン島では、同ホテル以外にも3軒のホテルがシェルターとして使用されており、市が調査を進める予定だ。
 市警察(NYPD)は、11日からシェルターの警備を申し出たが、ホテルは私有物であるため、警備の申し出を受けるかどうかはホテル経営者側の判断に委ねられるという。市長は、ホテルをシェルターとして使用することを徐々に終了する方針であるとの意向を表明した。