大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第45回「トレンドに左右される狙い目車両」

「トレンドに左右される狙い目車両」
 読者の皆様はクルマ選びの際に何を基準にしていますか?
 もちろん、状況によって異なると思います。長く使うつもりなら、「スタイルが好き」や、「装備が充実している」など、自分の好みや満足度に特化した 〝乗りつぶす〟 場合に多い選択基準ですね。しかし、期間限定のクルマ選びをする際には、「リセールバリュー」や「使い勝手が良い」などの、売却時のことと使用スタイルに特化した 〝節約と実用を考える〟 場合に多い選択基準といえます。
 駐在や留学などの短期滞在の場合は必然的に後者が多くなりますので、筆者がクルマの相談を受けているときに最も多く聞かれる質問が「なるべく買いと売りの差額が出ない車両はどれですか?」です。
 クルマも株価と似ていて、人気によって相場が左右されます。違う点といえば、株価は下がってもその会社の経営状況によって回復(上昇)することがありますが、クルマは消耗材ですので基本的に質が良くなることもありません。さらにどんどん新しい製品(改良された車両)が生まれてくるのですから、よほどのことがない限り価値は下がるか良くても水準を保つことしかありません。
 そんな中で、「買い時と売り時の差がなるべく開かない=相場の下がりにくいクルマ=価値を保っている期間が長いクルマ」とは、極端に言えば「買うときは不人気だったものが、売るときに人気が出てくる車両」です。聞いただけでも「そんな予測立てられないよ…」というため息が聞こえてきそうです。
 そうです。株価と一緒で先を見越して今に投資するのは容易なことではありません。人気のうちは価値は高い、不人気になると価値が下がる。この2点を踏まえると、方法はただ一つ、トレンドを見据えて逆張りをすることです。そのポイントは、①現状では不人気でもこれから人気上がる可能性があるクルマを選ぶ②実際よりも評価が低いけれど、次第に評価が回復してくると予測できるクルマを選ぶ―という方法があります。例えば、
・ガソリンが安いときに敢えてハイブリッド車を買い、ガソリンが高騰するのを期待する
・ガソリンが高いときに燃費は良くないが名車と言われるクルマを買って、ガソリンが安くるなるのを期待する
・(転勤や引越しを見越して)冬の降雪地帯でオープンカーや2WDのSUVを買い、春ごろの南部や西海岸で売りさばく
・平均走行距離の低いニューヨーク市近郊(しかも冬季がベスト)でセダンを買い、春先(暖かくなる前)に売却する(カリフォルニアなど、平均走行距離が多い地区で売れるのであれば尚良し)
などに注目すると良いでしょう。
 安定的に人気の車種は買うときも割高ですが、売るときにも割高で売れるのも確かです。しかしながら、買うときに人気だったけど売るときに不人気になってしまっているとリスクとなります。人気の原因が一過性のバブル的人気の可能性があるものは要注意です。
 節約だけを考えるならば、クルマ選びの基準はなるべく絶対に外せない条件一つに絞り、その他の条件は思い切って捨て去ると良いでしょう。
 また、ニューヨーク近郊では雪のイメージが強いのでどうしても4WDのSUVに目が行きがちですが、考えることは皆一緒。道路に雪が積もっている期間が1年間の5分の1(平均)しかないということをどう捉えるかで、選択の幅が広がり、節約のチャンスも大きくなります。
 今回は意外な見方だったかもしれませんが、皆様のおクルマ選びについて一助になれれば幸いです。

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プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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